怒っているという人がいた 口角や眉間を見て、そうなのだろうと思う 寂しいという人がいた 至近距離に座ってみたけれど これだけでなんになるのだろう 彼らの外殻に触わってみても 物語が読み解けない 喜んでいるという人がいた …
もっと読むカテゴリー: ショート・詩
大衆心理
当たり前とはなんと罪深いのだろう 当たり前過ぎて誰も表現しようとしなくなった 当たり前過ぎて文字に記すことや 当たり前過ぎて口に出すことさえない 当たり前過ぎてとうとう意識に上ることもなくなった だから僕は土に埋めようと …
もっと読むOriginal
そのキャンバスには一度として 同じ絵の具は使われていないのだけれど 何かを横に並べて検分出来るような要素は 全然無いのだけれど 優越感や劣等感が衰退したことはない 奇抜は所詮、相対的なものだ ただ、個性というものはもう少 …
もっと読む三姉妹の魔女
三姉妹の魔女の物語 長女は他者の姿を変えるのが大好き 姿を変えたがる魔女ほど、自分を変えられることに異常な抵抗を示すものです 彼女は圧倒的な魔力に屈して鼠に変えられてしまいました 次女は知識と情報を信仰していました 長女 …
もっと読むHERO
あなたが愛を奏でるとき 聴衆がいようといまいと関係無い 何故ならまず、あなたが愛の音色に酔いしれてしまうから 音楽を奏でてその音色を聞かない奏者がどこにいようか がらんどうでも盛況でも関係無い あなたは往来で演奏する そ …
もっと読む消えたアトラス
地上の人々の目覚めにより 支える者は立ち去った 天が大地と一体となるまで時間はかからないかに思えたが 天はいつまで経っても降ってこない ブナの木が生い茂る天から木葉が降り注ぐ その葉脈には幾万もの天に関する情報を含有して …
もっと読むSynchronize
同期活動の裏には速度信仰が隠れていた 共に笑おう その笑いの色は同じではないかもしれないけれど 共に泣こう その涙の味は同じではないかもしれないけれど 感性のオンライン化は手軽さと快楽を与えてくれる Wi-Fiが切れたら …
もっと読むSoul Returner
己が何者かどうかは結局他人が決めることかもしれない 人生の意味も他人から見る方が劇的で 対照が鮮やかではないかな だからもう、それらを探すのを止めてしまうんだ もっと子供っぽく好悪の念に身を任せて 好悪すら行方不明ならば …
もっと読む奥にあるもの
目の前に佇む人はタンパク質の塊ではない かと言って安易に魂だとかを持ち出すのはどうか 人は経験をどう解釈したかで放つものが変わると思う 一つの経験を臆病な目で見て、慈悲の顎で砕き 機知の食道を通ったら、憤怒の胃が消化し …
もっと読むカリカチュア
目は他者を監視する為に巨大 口は小さく舌下に忍ぶ本音を渋々嚥下 指が太く発達して百足の如く蠢く 日に当たれず肌は白い 顔半分を覆い常に犯人捜し 呼吸器は弱く猫背気味 これぞ人間クロッキー 私と貴方の分断の亀裂は国まで届く …
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