天空を月が占拠してどれだけ経とうか 実らせ育み、血液を与える星の名を忘れてしまった その星の笑顔は生き甲斐になりえたのに 暫しの間、狩人に休息を与えるはずだった闇は 悪事を潤滑に行う為の闇に成り下がった 自然が淘汰された …
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看破
味の無くなった日々に興はどこへやら 暗唱出来る毎日が疎ましいのだろう 季節は何も解決しないのだ たまには回顧も悪くない その轍に見覚えはあるか あらゆる物証が君と同一人物と断定するだろう 強固な現実を見破れ 記憶装置を外 …
もっと読む閑話休題
名も無き花があった その花は泥だらけで 少し踏まれていたかもしれない 周りからは好き勝手言われているようだ 全く役に立たない 特徴の無い花だ なぜそこに咲くのか? 醜い 邪魔だ そんな声が聞こえた気がした まるで一人敵地 …
もっと読む甦る童心
もしも、もしも聖人になってしまったら 彼らの大脳皮質に住まう聖人になってしまったなら あなたの自由に影を落とす おいそれと人を好きになることも出来ない 往来で歌うことも 中空を眺め笑うことも 確かなのは自分の現実感だけだ …
もっと読むアルケミスト
愛する人に触れる手と 愛する人さえ壊してしまう手で祈ろう 祈りの最中で闇を発酵させたなら 空虚な光に意味が与えられよう その祈りは万物への階、全ての基底となる 現し世の錬金術師達よ あらゆる物質、金、魂 なんでも精練すれ …
もっと読む黒魔術
その怒りは腐臭を放ち、粘性を帯びていた 妬み嫉みが究極の支配に至ると、気を失ういかける 何度となくそういったことを経験した その度に手で身体を支え、堪えていると 自分は四つ足になりたいのではないかと思った この復讐には代 …
もっと読むSatisfaction
私には余地がない そう思ったら、いつの間にか身を溢していた 既知を脱ぎ捨て、無知への跳躍 完全から不完全への進化 旺盛な死をもってそれは始まった 私抜きの仮初めの戯曲 木葉一枚の経験も逃さず楽しんだ 貴方達は未だに私を驚 …
もっと読む星の行方
僕は思う 神はみだりに光輝を放ち、人々を平伏させない 神は水面を歩いてみせ、人々の力を奪いはしない 神の怒りなど、無い 神は僕達の幻想の中で言う無能に徹していると思う 僕は感じる もし、目の前に神が現れたならば 存在感で …
もっと読む千の顔
たった一つは尊いから たった一つは特別だから なぜ尊いものに制限をかけてしまったのだろう 特別なものが沢山あってもいいのに もし、本当の自分探しをしていたなら もったいないかもしれない 自然な自分だけが本当ではない 攻め …
もっと読む死んだ覚者
その覚者は死んでしまった 自分の中の宝玉に気付き、それを皆に教えようとした 人々はその耀きに当てられ、次第におかしくなっていった 覚者の言葉は常に飾らぬものだった 狂わされた人々の耳朶を通り 心に残響する頃には別物へと変 …
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